<地域資源を活用した総菜製造のためのセントラルキッチン新設と食品製造卸売への事業転換>
この会社は日光国立公園に所在しており、観光客を主要顧客として、お土産品販売や飲食で業績をあげてきた会社です。「日光」という国内外に知名度のある観光地のブランドを活かした商品企画力やマーケティング力が強みです。
しかし、国による緊急事態宣言に伴う不要不急の外出や移動の自粛等による影響により、現地を訪れる観光客が激減し、収益が著しく減少しました。さらに、今後もコロナ感染症がいつ収束するのか見通しが立っておらず、先行きが不透明な状況です。
以上の状況から、この会社は自社が得意とする観光地ブランドを活かした商品企画力・マーケティング力やこれまで育んできた地元生産物の生産者との繋がりを活かし、地元素材を使用した冷凍調理食品の製造から卸売販売及び通信販売を開始しました。さらに、食品の廃棄ロスに貢献できるよう、自社保有地内に新設するバーベキュースペースでの観光客・近隣住民への地元食材を使用した飲食の提供も併せて開始しました。
本事業を実施することにより、感染症拡大を考慮した事業を実施することができるだけでなく、現在我が国の行政が力を入れているリモート化・オンライン化に貢献することができます。
CrossSWOT
■導入経費(一部抜粋)
56冷凍機、冷凍機対応製品および装置 :導入機器費用
84冷暖房用、食品調理用器具及び装置 :導入機器費用
43その他の産業用機械 :導入機器費用
99分類不能の商品 :建物・工事費
■採択のポイント
この企業が採択されるポイントとなったのは、市場環境を捉え、自社のノウハウのリソース活用した新たな事業に転換したことが大きかったと考えられます。実際に、事業再構築補助金の審査項目には下記の様な審査項目があり、本事業は、この3項目で得点がとりやすかったと考えられます。
〈審査項目一部抜粋〉
・既存事業における売上の減少が著しい等、新型コロナウィルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊急性が高いか。
・市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。
・地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、雇用の創出や地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を牽引する事業となることが期待できるか。
いかがでしょうか。事例を見られて、自社が申請要件に当てはまりそうという方はお気軽に下記にご相談ください。
(参考:中小企業庁 事業再構築補助金公式HP
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/cases.php)